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2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新規に発行されなくなり、「マイナ保険証」を基本とする仕組みへと移行されました。「マイナ保険証」を持っていない方は、登録の手続きを済ませる必要があります。この記事では、マイナンバーカードの健康保険証利用の概要やマイナ保険証のメリット、利用登録の方法、そして特定疾病療養受療証をお持ちの方への対応などを紹介します。
マイナンバーカードの健康保険証利用について
マイナンバーカードとは?
マイナンバーカードは個人番号が記載された顔写真付きカードです。身分証明書としての利用のほか、各種自治体サービスやe-Taxなどの電子証明書を利用した電子申請に使用することができます。
マイナ保険証は健康保険証として利用登録されたマイナンバーカード
2021年10月より、マイナンバーカードは健康保険証として利用する事前登録をすることで医療機関や薬局で健康保険証として利用できるようになりました。そして2024年12月️2日からは、従来の健康保険証の新規発行・更新はされず、マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みに移行されています。
この健康保険証として利用登録されたマイナンバーカードは「マイナ保険証」と呼ばれ、2024年10月末時点で、すでにマイナンバーカードを持つ人の約8割がマイナ保険証の利用登録を完了しています。
マイナ保険証を利用するメリット
マイナンバーカードを健康保険証として使えるように登録して、「マイナ保険証」として使うメリットを紹介します。
○データに基づく医療が受けられるようになる
マイナ保険証を医療機関や薬局で提示すると、今までに使ったお薬の情報や過去の特定健診の結果を患者さんの同意のもと医師や薬剤師などと共有でき、正確なデータに基づく診療・薬の処方が受けられます。 特にお薬に関しては、電子処方箋に対応した医療機関・薬局で、本人同意のもと「直近の」薬の情報を医師や薬剤師などと共有できるようになります。これによって重複投薬を避けたり、一緒に飲んではいけないお薬の処方を未然に防いだりすることができます。また、旅行や引っ越しで初めての医療機関・薬局を受診等する際にも正しい薬の情報や健診結果を伝えられるので安心して医療を受けられます。
※医療機関を受診する際や薬局への来局の際には、毎回マイナンバーカード(健康保険証)の提示と情報提供への同意をお願いします(健康保険法施行規則第53条等)。
○高額療養費制度の限度額適用認定証を持ち歩く必要がなくなる
高額療養費制度とは、医療費が高額になり自己負担の上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。これまでは、医療機関・薬局の窓口で一度全額を負担しなければならない場合があり、また支給を受けるためには申請が必要でした。事前に限度額適用認定証の利用申請をして窓口での負担を上限額までに抑えることもできましたが、紙の認定証を持参しなければなりませんでした。
マイナンバーカードを健康保険証として利用すれば、「限度額適用認定証」を持参していなくても、公的医療保険が適用される診療に対しては限度額を超える分を支払う必要がありません。急なケガや病気で手術や入院が必要になった場合にも安心して医療を受けることができます。
○お薬の受け取りがスムーズになる
電子処方箋に対応している薬局では、薬局にあるカードリーダーにマイナンバーカードをかざすことで、調剤を受けたい医療機関の電子処方箋を簡単に選択することができます。さらに、オンライン診療やオンライン服薬指導の際にも、医療機関から紙の処方箋を受け取ったり、薬局へ処方箋を持参・郵送したりする必要がなくなります。
○医療費控除申請が簡単になる
確定申告の際はマイナポータルとe-Taxを連携することで、医療費控除に使用する「医療費通知情報」をマイナポータル経由で取得して確定申告書に自動入力することができます。
○保険医療に関するデータを活用できる
マイナ保険証を持つ患者さん自身も、マイナポータルで自分の特定健診の情報やお薬の履歴、受けた治療や医療費を確認できるようになります。
○健康保険証の切り替えが簡単になる
転職や引っ越しをしても、健康保険証を切り替える必要がなく、マイナンバーカードを保険証としてそのまま使うことができます(保険者や福祉事務所への加入の届出は必要です)。
○医療機関の業務負担軽減につながる
医療現場で働く人にとっては、服薬状況や資格情報をスムーズに取得できるようになること、それにより業務負担が軽減されるなどのメリットがあります。また、これらの情報がスムーズに取得できるようになることは、医療機関や薬局での待ち時間が軽減されるという医療を受ける側にとってのメリットもあります。
マイナ保険証の作り方:健康保険証利用の登録方法
健康保険証利用の登録方法 マイナンバーカードを健康保険証として利用登録するにはいくつかの方法があります。また、従来の健康保険証が今すぐに使えなくなることはなく、経過措置としてこれまでの健康保険証からマイナ保険証への移行期間が設けられています。
○マイナンバーカードの交付申請
マイナンバーカードの発行が済んでいない場合は、まずマイナンバーカードの交付申請が必要になります。交付申請は、パソコンやスマートフォンを使い、交付申請用WEBサイトから申請する方法、まちなかの証明写真機※を利用して申請する方法、郵送で申請する方法の3つがあります。
※まちなかの証明写真機は申請できるものとできないものがあります。
○マイナ保険証の登録申請
マイナンバーカードの発行が済んでいる場合は、健康保険証として利用するための初回登録申請を行います。登録申請はマイナンバーカードを使って、顔認証付きカードリーダー、マイナポータル、セブン銀行ATMにて行うことが可能です。
顔認証付きカードリーダーは医療機関や薬局に設置されています。
マイナンバーカードをカードリーダーに置き、案内に沿ってその場で手続きができます。
【参考】マイナンバーカードの健康保険証利用方法|厚生労働省
○マイナ保険証への移行期間はいつまで?
マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行は進められますが、2024年12月2日以降にこれまでの健康保険証がすぐに使えなくなることはありません。最長で2025年12月1日までは現行の健康保険証が使用可能であり、マイナ保険証との併用期間となります。その後はマイナ保険証を利用するか、現行の健康保険証の有効期限内に保険者から送付される「資格確認書」を利用する必要があります。「資格確認書」を医療機関の窓口で提示することで、今までと同じように保険診療を受けることができます。
○後期高齢者医療制度の被保険の方への対応は?
暫定的な運用として2025年7月末までの間は、現行の健康保険証が失効する方へ申請の有無を問わず「資格確認書」が無償で交付されます。
特定疾病療養受療証をお持ちの方へ
血友病の治療で特定疾病療養制度を利用されている場合
マイナ保険証を利用すれば、特定疾病療養受療証を医療機関などの窓口に持参しなくても、その疾病にかかる自己負担限度額を超える支払いが免除されます。なお、この場合も事前に行う特定疾病療養受療証の交付申請は従来どおり必要です。
また特定疾病療養受療証の事前申請については、マイナポータル(ぴったりサービス)からのオンライン申請が可能な健康保険組合もあります。
今後の対応について
マイナ保険証の登録がまだの方は、現行の保険証の有効期限までに必要に応じて資格確認書を申請し、申請不要の方は資格確認書が届いたらなくさないように保管するなど、準備をしておくことが大切です。マイナ保険証は患者さんと医療機関にさまざまなメリットがありますので、利用登録の際には今回の記事も参考にしていただけたらと思います。
※この記事は2024/12/2時点の情報を基に作成しております。
【参考サイト】
マイナンバーカード総合サイト:申請・受取方法/申請状況確認
マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問|厚生労働省
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