電子カルテと部門システムの連携メリットについて
院内には電子カルテの他に様々な部門システムが導入されています。
貴院ではそれらをどのように連携されていますでしょうか。連携項目は多岐にわたっており、それらを複合的に組み合わせて連携することで、電子カルテを中心とした院内統合システムが構築され、情報共有が進むことによるチーム医療の強化を図ることができます。チーム医療が強化されることにより医療の質が向上し、最終的には患者様へのサービス向上に繋がるのではないでしょうか。
主な部門システム
医療機関向けには様々な部門システムが存在します。一例を挙げますと、
- 画像ファイリングシステム(PACS)
- 検査システム(検体検査、病理、細菌検査等)
- 調剤システム
- 給食管理システム
- 予約管理、問診システム
- リハビリシステム、透析支援システム、手術支援システム、輸血管理システム 等
- 看護支援システム
- バイタル測定システム(モニター、計測機器 等)
各システム・各メーカーによって連携が可能な項目は異なります。必要な情報をいかに連携できるか、連携できる項目が多いほど確認にかかる時間や二重入力にかかる時間の短縮やミスの削減が図れ、同一端末での閲覧ができれば情報共有の拡大にもつながります。
では連携にはどのような種類があるのか、次で説明します。
連携の種類
一言で連携と言っても、その中身は一つひとつの連携の組み合わせとなります。部門システムによって必要な連携項目が異なります。ここでは主な連携項目を簡単に紹介します。
①患者属性
患者様の基本情報を部門システムに送信します。部門システム側での二重入力や入力ミスを防げます。基本情報以外にも入退院情報や転棟転室等の移動情報を連携することもあります。
②予約、受付情報
診療予約の情報を部門システムへ、部門システム側で登録した予約情報を電子カルテへと双方に予約情報を連携します。又、来院時の受付情報についても双方で連携することで患者様の来院情報を共有することができます。③オーダ情報
医師の指示(オーダ)は主に電子カルテにて登録されます。入力された医師の指示(オーダ)を各部門システムへ送信します。部門側では即座に医師の指示を確認でき、指示の転記作業が不要となります。又、部門システム側で医師がオーダを指示するケースもあり、その場合は部門側で出された指示(オーダ)を電子カルテへ送信する等、双方向でのやり取りが発生することもあります。
④検査結果
主に検査システム側で測定された検査結果を電子カルテや各部門システムへ送信します。電子カルテでは、受け取った検査結果情報を部門システムへ転送することもあります。
⑤コスト情報
各部門システムでの実施情報をもとに、コスト情報を電子カルテ又はレセコンに送信します。電子カルテへ送信しても、電子カルテからレセコンへ転送されるので、レセコン側では正確な会計情報が取り込まれ、コストの取り漏れや入力ミス、返戻対策にも繋がります。
⑥記録情報
各部門システム側で登録される指示情報・実施記録やコメント等の文書情報を電子カルテへ送信します。電子カルテでは診療記録や看護記録と同じように部門の記録が登録され、電子カルテの閲覧にて参照できる情報が格段に増え、情報共有が推進されます。
⑦画像データ
情報によっては数値や文章で表現できないものがあります。画像データやチャート等の表やグラフ情報がそれにあたります。その場合は情報を画像データ(jpegやPDF)にして電子カルテへ送信します。電子カルテではそのまま画僧データとして情報を取り込みます。
⑧システム起動
電子カルテから部門システムそのもの、あるいは部門側システムが提供しているビュアー専用ソフトを起動することができます。放射線科系の画像ファイリングシステム(PACS)や生理検査系の結果画像表示システム等、DICOM画像や写真・グラフデータは電子カルテには取り込まず、ビュアー専用ソフトを使うことにより専門的な閲覧方法を可能とします。又、部門システムそのものを電子カルテパソコンで起動することにより、電子カルテと部門システムを同時に利用することができます。
上記のように連携には様々な項目があります。ここではサンプルとして一般的な透析支援システムとの連携を紹介します。
透析支援システムとの連携の一例
連携時の確認
連携については、既に導入されている部門システムの場合と、これから導入する部門システムの場合がありますが、いずれにしてもメーカー間で連携実績があるかどうかを確認しましょう。実績がある場合はどのような連携が可能なのかを確認し、現状の運用にマッチするかを検証する必要があります。実績があると言っても、想定している連携内容になっていない場合もあります。
- 連携の実績はあるか。
- どのような連携が可能なのか。
- 連携できない部分は新しく連携できるように開発してもらえるのか。
- 連携費用はいくらかかるのか。
上記が主な確認点になるかと思います。連携費用は電子カルテ側・部門システム側両方に発生しますし、新しく開発を要望される場合は別途開発費用が発生するケースがあります。費用対効果を考え、連携の範囲を検討していくことも必要です。
又、医師側、部門側双方で連携内容をしっかり確認し、連携した場合の運用を想定して決断をする必要があります。新規に導入する場合は充実した連携ができるメーカーを選択すると言った、選定のポイントとして考える事もできます。
ここまで連携についてご説明いたしましたが、システム連携は二重入力の省略による作業効率の向上やミスの削減だけではなく、情報共有の拡大に伴うチーム医療の質の向上から患者サービスの向上につながり、作業効率化はコストの削減につながる可能性があります。
部門システムは、電子カルテにはない専門的な機能に特化したものであり、連携することは医療機関様にとって非常にメリットがあると考えます。
弊社電子カルテも様々な部門システムとの連携実績をもっております。どうぞお気軽にお問合せください。