訪問看護で電子カルテの導入が進んでいる理由とは?電子カルテのメリットを解説

訪問看護で電子カルテの導入が進んでいる理由とは?電子カルテのメリットを解説
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近年では病院、診療所で電子カルテ導入が進んでいますが、訪問看護でも電子カルテを使用するケースが増えてきています。
訪問看護に電子カルテを導入するとさまざまなメリットがあるので、訪問看護業務に課題や問題を抱えているなら、電子カルテの導入を検討してみましょう。
本記事では、訪問看護に電子カルテの導入をおすすめする理由について解説します。

訪問看護に電子カルテの導入をおすすめする理由

従来の訪問看護では、紙媒体のカルテを持参し患者の自宅を訪問するのが一般的でした。しかし、医療従事者の不足や少子高齢化の影響によって早急な業務効率化が求められる背景もあり、紙媒体のカルテから電子カルテへの移行が進んでいます。なぜ訪問看護の現場でも電子カルテが普及し始めているのか、その理由を大きく5つに分けて紹介します。

1. 訪問看護記録の手間を省ける

1つ目は、訪問看護記録の手間を省けるという理由です。訪問看護では、訪問先ごとに看護内容や観察項目などの看護記録をつける必要があります。訪問看護記録は、利用者の基本情報や療養・介護状況などを記載する訪問看護記録書Ⅰと、利用者宅を訪問し、実際に行った看護・介護の内容を記録する訪問看護記録書Ⅱの2つに区分されます。

2つを合わせると記載項目は複数に及ぶため、紙のカルテを使用する場合、時間と手間が掛かりがちです。そのため、看護師の中には現場で訪問看護記録書Ⅱの内容のメモを取り、後から記録用紙に転記する人もいるようです。電子カルテを導入すれば、基本情報を主とする訪問看護記録Ⅰのデータを端末に保存しておけるので、訪問のたびに一から情報を入力する必要はありません。現場では、訪問看護記録書Ⅱだけを入力するのみなので、転記の手間を省くことができます。また、紙のカルテは全て手書きですが、電子カルテではプルダウンで項目を選択できるなどの機能が備わっているので、入力の手間を省略できます。

2. カルテの管理が楽になる

2つ目は、カルテの管理が楽になるという理由です。紙のカルテを管理するためには、キャビネットなどを用意し物理的に保管が必要です。訪問看護者数が増えてくると、そのぶん紙のカルテの数も増えていくため、目当てのカルテを探すのに手間と時間が掛かりやすくなります。また紙のカルテの保管が不十分だった場合、カルテを紛失したり、誰かに盗み見られたりするリスクもあります。

電子カルテを導入すれば、パソコンやタブレットなどの端末にデータを保存しておけるので、物理的な保管スペースを確保する必要はありません。こまめにバックアップを取っておけば、万が一トラブルが発生してもデータが失われるリスクを防げるので、安全にカルテを保管できます。電子カルテの閲覧や編集の権限に一定の制限を設ければ、第三者にデータを盗み見られるリスクも減るでしょう。

3. 情報を共有しやすい

3つ目は、情報を共有しやすくなるという理由です。クラウド型の電子カルテを導入することで、インターネット環境下にあれば、いつでもどこでもカルテを閲覧、編集できます。訪問看護を複数の看護師で担当している場合、情報を共有しやすくなり、引き継ぎの手間と時間も省略できます。

4. さまざまな働き方ができる

4つ目は、さまざまな働き方ができるようになるという理由です。紙のカルテを利用している場合、訪問看護記録書を勤め先の病院や診療所に持ち帰らなければなりません。クラウド型の電子カルテを導入すれば、入力した記録がリアルタイムで共有されるのでカルテを持ち帰る必要がありません。訪問看護の担当者が訪問先から直帰することも可能になる他、管理者も自宅などからテレワークを行えるようになります。

5. レセプト業務を効率化できる

5つ目は、レセプト業務を効率化できるという理由です。訪問介護を行った場合、介護報酬と訪問看護療養費を請求する手続きが必要です。これをレセプト業務といいます。介護報酬および訪問看護療養費は訪問看護記録書をもとに計算し、介護給付費請求書や訪問看護明細書などを作成して、国民健康保険団体連合会および社会保険診療報酬基金に提出しなければなりません。

レセプト業務は手間と時間の掛かる作業ですが、レセプト機能のある電子カルテを導入すれば、直接あるいはレセプトシステムを経由して請求手続きを行うことが可能です。書類を手書きで作成する必要がない上、請求金額の計算も入力したデータをもとに自動で計算されるので、レセプト業務を大幅に効率化できます。

電子カルテを導入すれば、訪問看護の業務を効率化できる

訪問看護の現場に電子カルテを導入すると、訪問看護記録の手間を省ける、カルテの管理が楽になる、情報共有しやすいなど、たくさんのメリットが挙げられます。介護業界は慢性的な人手不足に陥っており、少ない人材で訪問看護を行っている場合も少なくありません。電子カルテを導入し、訪問看護の業務を効率化すれば、スタッフ一人当たりの負担を軽減できるでしょう。