電子カルテのシステム連携で何ができる? メリット・連携可能なシステム・注意点を解説

公開日: 2026年7月31日 13:59

電子カルテのシステム連携で何ができる? メリット・連携可能なシステム・注意点を解説
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医療DXの推進により、医療現場ではさまざまなシステムの導入が進み、電子カルテを活用している医療機関は年々増えています。しかし、「電子カルテを導入したものの、思ったほど業務効率が上がらない」「かえって作業が増えたように感じる」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

このような課題を解決するためのポイントとなるのが、「システム連携」です。電子カルテは単体でも活用できますが、他のシステムと連携すれば、情報の入力や共有がスムーズになり、業務負担が軽減します。

そこで本記事では、電子カルテのシステム連携のメリットや連携可能なシステム、注意点を分かりやすく解説します。電子カルテをより効果的に活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 電子カルテをシステムと連携すると、業務効率化や人的ミスの防止、患者さんの満足度向上といったメリットがある
  • 電子カルテは予約管理・問診システムや検査システム、オンライン診療システム、会計・決済システムなど、日々使用するさまざまなシステムと連携が可能
  • 患者さんの重要な情報を扱うことになるため、連携の際には強固なセキュリティ対策が欠かせない

電子カルテをシステム連携するメリット

電子カルテをシステム連携するメリット 電子カルテのシステム連携とは、電子カルテと医療現場で利用されているさまざまなシステムをつなげて活用することです。

まずは、電子カルテと他のシステムを連携することで、どのようなメリットが得られるのかを見ていきましょう。

業務の手間が省ける

電子カルテをシステム連携すると、さまざまな業務負担を軽減できます。

例えば、これまで手作業で行っていた患者情報の転記は、連携によって自動化できるため、入力作業の負担を軽減できます。また、検査システムと連携すれば、検査結果の記録や確認がスムーズにできるようになり、共有も効率的に行うことが可能です。

医療機関内のさまざまな部門において作業負担を抑えられるので、他の業務に充てる時間を確保しやすくなります。

人的ミスを防止できる

人的ミスを防げることも、電子カルテをシステム連携するメリットです。

問診情報や検査結果を手作業でカルテへ転記する場合、入力ミスや記載漏れが発生する可能性があります。システム同士を連携させることで、このような手動作業を減らせるため、ミスの発生リスクを抑えることが可能です。

また、患者さんの情報に変更があった際も、一つのデータを更新するだけで関連するシステムに反映されます。情報の不一致を防ぎながら、常に正確なデータを管理できるようになります。

患者さんの満足度向上につながる

電子カルテをシステム連携させれば、業務効率化により患者さんの満足度向上にもつながります。

連携が行われていない場合、受付や診療、会計の場面でそれぞれ情報を手入力する必要があり、対応に時間がかかるケースが多いです。システムを連携させることで入力作業が効率化されるため、各工程にかかる時間を短縮できるでしょう。患者さんの待ち時間が短くなり、待合室の混雑緩和にもつながります。

患者さんの院内滞在時間を抑えられることで、感染症リスクの低減にも効果が期待できます。

電子カルテと連携可能なシステムの例

電子カルテと連携可能なシステムの例 ここからは、電子カルテと連携できる代表的なシステムの種類について見ていきましょう。

予約管理・問診システム

電子カルテと予約管理・問診システムを連携すると、患者さんの予約管理や受付を効率化できます。

患者さんが予約時に入力した情報は、そのまま電子カルテへ反映されるため、入力ミスを防ぐことが可能です。手作業での転記が不要になることで、業務にかかる時間の削減も期待できます。

受付から診療までの流れがスムーズになり、患者さんを円滑に案内できるでしょう。

検査システム

検査システムと電子カルテを連携すると、検査に関わる業務を効率的に進めやすくなります。

例えば、検査結果が自動でカルテに反映されるため、手入力を行う必要がありません。検査のオーダーも電子カルテを通して行えるので、紙の依頼書を作成する手間を省けます。

また、検体ラベルを自動で発行できるようになるため、記載ミスや取り違えといったリスクの低減にもつながります。

オンライン診療システム

オンライン診療システムと電子カルテを連携すると、診療に必要なデータ管理や書類のやり取りをオンライン上で完結できます。

従来は、書類を印刷したり郵送したりする対応が必要でしたが、連携によってこのような作業を省略できれば、業務を効率化できるうえコスト削減も期待できるでしょう。オンライン診療の需要は今後も高まることが見込まれるため、スムーズに運用するためにはシステム連携による効率化が重要です。

PACS(医療用画像管理システム)

PACS(医用画像管理システム)とは、X線・CT・MRI・超音波など各種検査で取得した医用画像を管理するシステムです。

電子カルテとPACSを連携すれば、さまざまな医用画像をシステム上で一元的に管理・閲覧できるようになります。画像の取り違えといった人的ミスの防止にもつながります。

閲覧機能を備えた端末があれば、診察室以外の場所でも画像を確認できるため、場所を問わず必要な情報へアクセスできるようになります。

リハビリシステム

リハビリシステムは、患者さんの基本情報やリハビリのスケジュール、実績などを一元管理できるシステムです。

電子カルテとリハビリシステムを連携すれば、医師はリハビリ内容の確認や依頼をスムーズに行えるようになります。

理学療法士も医師による評価や処方内容を把握しやすくなるため、リハビリ方針の見直しに役立つでしょう。リハビリ当日に患者さんの医療情報へアクセスできるため、その日の状態に応じた調整も行いやすくなります。

透析管理システム

透析管理システムは、透析を受けている患者さんの治療状況や検査結果、診察内容、投薬情報などをまとめて管理できるシステムです。

透析を受けている患者さんの中には、体調が急変するリスクが高い方もいるため、日々の状態を丁寧に把握することが欠かせません。電子カルテと連携すると、患者さんの情報をリアルタイムで共有しやすくなり、適切な観察や管理につなげられるでしょう。

また、予約時に入力された患者さんの情報がシステムへ自動的に反映されるため、現場での準備や対応を円滑に進めやすくなります。

薬剤管理システム

薬剤管理システムは、薬剤の情報確認や在庫管理、発注などを行うシステムです。

電子カルテと薬剤管理システムを連携すると、必要な薬剤の情報を迅速に確認できるようになります。データの整合性を保ちやすくなるため、より正確な情報に基づいた対応が行えるようになります。

調剤システム

調剤システムは、薬歴システムやレセプトコンピューターなど、調剤業務に関わるシステムの総称です。

電子カルテと調剤システムを連携すると、医師が入力した処方データがそのまま薬剤師へ共有されるため、入力ミスや伝達の行き違いを防ぎやすくなります。また、過去の処方内容も電子カルテ上で確認できるので、薬剤同士の相互作用を把握しやすくなり、安全性を意識した処方につなげられます。

会計・決済システム

会計・決済システムと電子カルテを連携すると、当日の診療や治療内容が自動的に反映されるので、会計処理にかかる時間を短縮しやすくなります。 後払い会計システムを利用することで、患者さんの待ち時間の短縮や、 会計業務の負担を減らすことにつながるでしょう。

医療費の計算もスムーズに行えるようになるため、患者さんの会計時の待ち時間を減らせます。また、手入力の必要がなくなるので、人的ミスの発生リスクも抑えられます。

電子カルテとシステムを連携する際の注意点

最後に、電子カルテとシステムを連携する際の注意点をご紹介します。

連携できないシステムもある

システムによっては、電子カルテとの連携が難しいこともあります。

連携を検討する際は、どのシステムと連携させたいのかをあらかじめ整理しておくことが重要です。なお、対応しているシステムであっても、種類や仕様によって連携できる範囲や機能が異なることがあります。

また、互換性によってはデータの整合性が保ちにくくなる可能性もあるので注意が必要です。

事前に電子カルテとの連携可否を確認するとともに、新たに電子カルテを導入する場合は、データ連携の標準化に対応した国際規格である「HL7 FHIR」に準拠しているかどうかを確認しておきましょう。

追加費用の有無を確認する

電子カルテと他のシステムを連携する際は、追加費用が発生するかどうかを事前に確認しておくことが重要です。

すでに導入しているシステムの内容によっては、電子カルテとの連携に当たりカスタマイズが必要になる場合があります。この場合、別途費用がかかる可能性があるため、あらかじめ費用の目安を把握しておきましょう。

また、連携に対応した端末の追加導入や、後述するセキュリティ対策に費用が発生するケースもあるので、連携にかかる全体のコストを把握しておくことも大切です。

セキュリティ対策が欠かせない

電子カルテと他のシステムを連携する際は、セキュリティ対策を徹底することが重要です。

対策が不十分な場合、患者さんの個人情報が外部に漏えいするリスクがあります。医療情報は特に機密性の高いデータなので、万が一の事態が発生すると信頼の低下につながる可能性が高いです。

このようなリスクを防ぐためにも、不正アクセス対策などを含め、セキュリティ体制を強化しておくことが求められます。

電子カルテ連携で医療の質と業務効率を両立

電子カルテは単体でも活用できますが、他のシステムと連携させることで、さらに利便性が高まり、業務を効率化できます。業務の手間を軽減しながら人的ミスを防げる上、患者さんの満足度を高めることにもつながります。

連携を検討している方は、どのようなシステムとの連携が必要なのかを整理した上で、追加費用の有無を確認し、必要なセキュリティ対策を講じましょう。

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