導入事例

お客様の声をご紹介します。セコムOWELの導入にお役立てください。

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医療法人敬樹会 ながくらクリニック 長倉芳樹院長
在宅

在宅医療でも、病院のような高度な医療を提供したい

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「CADDポンプ」の導入でがん患者の痛みをやわらげる

2014年に埼玉県さいたま市西区に開業した「ながくらクリニック」は、地域の在宅患者に24時間寄り添い、その生活を最期まで支える医療に取り組んでいる。在宅医療を担う診療所にとって、患者の急性増悪時に、速やかに受け入れてくれる連携病院の存在は大きな強みだ。長倉芳樹院長は、「医療法人三慶会指扇病院の理事長に勧められ、救急医療・長期療養の機能をもつ同病院の近くに開院しました」と話す。

現在同院は、院長・副院長の2人の常勤医、看護師3人、事務3人、常駐のケアマネージャー1人の体制を敷き、2020年4月と8月には2つの訪問看護ステーションを開設し、約200人の在宅患者の生活を支えている。がんの末期患者を積極的に受け入れていることも同院の特徴のひとつで、看取り数も多い。開院以来、看取り件数は年々増加し、2019年には152件に、今年は8月までに130件を超えるペースとなっている。その数はもちろん、大半は常勤医師2人が自宅で看取っているというから驚かされる。

これだけの自宅看取りを実現している背景には、ハードとソフトの両面からの患者にとって自宅で過ごしやすい環境づくりがある。たとえば「CADDポンプ」の導入。がん患者が「CADDポンプ」を装着していれば、痛みを感じたときに自分で鎮痛薬を投与でき、薬の経口投与が困難な患者にとっても利用価値が高い。同院では「CADDポンプ」を8台整備しているが、診療所でこれだけの数を備えているケースはめずらしい。

長倉院長はこう語る。「がんに限らず、在宅で療養する患者さんが苦痛なく、安心した生活が送れるよう最大限の支援することが私たちの務めです。ですので、通常の診療所ではあまり扱わない医療機器や薬剤を可能な限り取り寄せて、患者さんが入院せずに、在宅での生活をできるだけ長く継続できるよう尽力しています。"在宅では設備の整った病院のような十分な医療は受けられない"という思い込みを覆す、高度な医療の提供を目指しています」。

こうした姿勢は、「安心して任せることができる」と中核病院から高い評価を受けており、がん専門病院から紹介される患者も多い。「在宅の場合、口コミや評判が大事。人との縁や信頼関係によって、当院の医療は成り立っています」と長倉院長は強調する。

情報の共有がスムーズでチーム連携もとりやすい

同院の特徴は2人主治医制を敷いていることだ。日常の訪問診療では、院長と副院長が運転手を兼ねている看護師と2人体制でチームをつくり、それぞれの車で異なるコースを回るが、患者やエリアの担当を単純に二分しているわけではない。原則月2回の訪問診療では、院長と副院長が同じ患者を交互で診る仕組みにしている。

「患者さんの急変時に、どちらの医師でも対応できるようにするのがひとつ。また、お看取りの際は、いつも診察している医師の方がご家族も安心されるというのがふたつ目の理由です。ですので、どちらの医師もよく知っておいていただくために、日頃から2人で訪問診療を行っています」と長倉院長。信頼関係ができていない非常勤医師の場合、家族はどうしても不安感から病院への搬送を選択しがちだ。多くの在宅看取りが実現している背景には、2人主治医体制が大きな役割を果たしているといえよう。

しかし、こうした仕組みの場合、医療従事者間での患者情報の共有が欠かせない。そこで同院では、2018年3月からクラウド型電子カルテ「セコムOWEL」を導入している。それまではオンプレミス型の電子カルテを使用していたが、院外でのレスポンスに時間がかかる不都合があった。

長倉院長は、「知り合いの医師が『セコムの電子カルテは使いやすい』と語っていたので、当院に最適な『セコムOWEL』を導入しました。在宅医療の場合、患者さん宅や移動の間にカルテの入力と確認をすることが多く、院外でいかに便利に使えるかが重要です」と話す。後藤大輔副院長も、「パソコンやスマートフォンでもカルテを確認でき、診療所に立ち寄らずに患者さん宅に直行できます。また、電子カルテは月1~2回勤務する非常勤医師も共有しているため、院外から事前の情報確認もスムース」と使い勝手の良さを強調。

さらには「看護師が患者宅を訪問して得た詳細な情報をすぐに電子カルテに反映させるため、患者さんや家族の要望をすぐに把握できます」と、法人内の訪問看護ステーションとも円滑な情報共有を図っている。

在宅ワークが可能になり作業の効率もアップ

クラウド型電子カルテ「セコムOWEL」なら、診察前のカルテ出しや処方箋の作成などの事務作業が場所を問わず可能になるため、コロナ禍での在宅ワークにも最適だ。緊急事態宣言が出され、あらゆる業種でリモートワークが推奨された時期、同院の事務スタッフの1人も在宅ワークに切り替えた。長倉院長は「クラウド型電子カルテのおかげで、診察前のカルテ出しや処方箋の作成などの事務作業が、在宅でも十分可能になりました」と話している。

長倉院長自身も、紹介状や主治医意見書、訪問看護指示書などの文書を自宅で作成することが多い。紹介状などの文書フォーマットも用意されており、一度"ひな型"を作れば、それ以降は流用できる。またパソコンで作成した処方箋を、そのままファクシミリで送信できる機能も、多忙な医師にとっては大きなメリットといえる。以前は院長が手書きしたものをコンビニから送っていた。電子カルテなら作業効率がアップし、ストレスも減った。

「将来的には、常勤医の数を1~2人増やして、もう少しゆとりのある体制で診療にあたりたいと思っていますが、『セコムOWEL』は端末台数を増やしても価格が同じ点も魅力です。人を増やしてもスタッフ間の情報共有が容易にできるので、医療の効率も質も、ともに高めていくことができると期待しています」と長倉院長は語っている。

過去のインタビューからの抜粋のため、文体もそのまま掲載しています

医療法人敬樹会 ながくらクリニック様

平成26年4月開業。「安心」「信頼」「親切」 をモットーに、さいたま市内を中心として、自宅療養されている患者様の苦痛のない安心した生活を支えている。