電子カルテのクラーク運用で効率よく業務改善

電子カルテのクラーク運用で効率よく業務改善
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電子カルテの普及に伴い、その有用性が再認識されている職種が医療クラークです。 医療クラークは医師の事務作業を補助する職種であり、現場に配置することで業務効率が大きく改善することが期待できます。

この記事では電子カルテのクラーク運用で得られる効果を解説します。

クラーク運用とは?

クラーク運用とは、医師の業務負担の軽減を目的として、医師に代わってカルテ記入などの事務作業を担当する職員を配置することです。 配置された事務職員のことを医療クラーク(医師事務作業補助者)と呼びます。

本来、カルテや処方箋といった書類の作成責任は医師が負うものとされていました。 しかし、患者数が増加するに伴って事務作業の負担も大きくなり、医師の労働環境も悪化してしまいます。

それを改善するため、厚生労働省は2007年に通知した「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」のなかで、クラーク運用に関する基本的な考えを示しました。 これによると、医師本人による最終確認と署名を条件に、事務職員がカルテなどの書類作成を代行してもよいとされています。

近年では電子カルテの普及も進んでおり、電子カルテに関連する業務を担当する医療クラークを「電子カルテクラーク」と分けて呼ぶこともあります。 電子カルテクラークは医療現場の業務効率化に大きな役割を果たすと期待されているのです。

電子カルテのクラーク運用で業務効率化が狙える理由

電子カルテのクラーク運用により、業務効率が改善する主な理由は以下の3点です。

医師の事務作業負担が軽減される
診察に関わる人員が増え作業分担ができる
コメディカルスタッフが本来の業務に集中できる

それぞれの理由について解説します。

医師の事務作業負担が軽減される

クラーク運用を導入する大きな目的は、医師の事務作業を軽減させることです。

医師は診察中のカルテ操作や入力作業が軽減されるため、診療に集中ができ1人当たりの診察時間を短縮させることができます。 結果として1日当たりより多くの患者に対応できるようになるでしょう。

特に電子カルテの場合は診察と診察の合間にカルテ作成をする医師もおり、患者の呼び出しに時間がかかってしまうことがあります。 なお、従来のように診察中にカルテを作成しない理由は、パソコンに向かう時間が長くなると患者に冷たい印象を与えてしまうためです。

診察の回転率が向上すれば患者の待ち時間も短縮され、満足度の高いサービスを提供することができます。 クラーク運用は医師にとっても患者にとってもメリットがあると言えるでしょう。

診察に関わる人員が増え作業分担ができる

医療クラークが診察室に同席することで診察に携わるスタッフが増え、作業分担ができるようになります。 医療クラークの本来の役割は事務作業の補助ですが、医師の指示のもとであれば他の業務を担当することも可能です。(禁止業務も定義されています)

診察の事前準備や看護師・受付との連絡など、医療クラークに業務をサポートしてもらうことでよりスムーズな診察を行うことができます。 医師は自身の業務負担が軽減された分、チームのマネジメントや患者のケアに時間を割けるようになるでしょう。

メディカルスタッフが本来の業務に集中できる

医療クラークが医師のサポートをすることにより、看護師を始めとしたコメディカルスタッフが本来の業務に集中できる環境を整えることができます。 医師のサポート役として診察室に配置されていた看護師を削減し、代わりに人員が不足している病棟を増員するという対応も可能です。

医療クラークの存在によって業務負担が軽減されるのは、医師だけではありません。 病院全体の人員配置を見直すきかっけにもなり、各職種の業務効率を改善させることにもなるでしょう。

電子カルテのクラーク運用に期待できる効果

電子カルテのクラーク運用で得られる効果は業務の効率化だけではありません。 医師の労働環境が改善することはもちろん、診察の質が向上し病院の評判が上がることもあります。

診療の質が向上する

期待できる効果のひとつが診察の質の向上です。 電子カルテの入力作業から解放されることにより、医師は従来よりも患者に向きあいながら診察を行うことができます。

患者に好印象を与え、診察に対する満足度を上げることができるでしょう。

医師の労働環境が改善される

医療クラークの運用は、本来医師の厳しい労働環境を改善するための取り組みです。 全体的な業務効率が向上することで残業時間の削減や有給取得率の向上が見込めます。

また、業務に余裕が生まれることで、自身の研究や若手スタッフの育成に割く時間を捻出することもできるでしょう。

クラーク運用を効果的に実施するためには教育が必要

電子カルテのクラーク運用を効果的に実施するためには、スタッフの教育が不可欠です。 電子カルテクラークの担当者には医療に関する基礎的な知識や、多くの情報を簡潔にまとめる文章力、素早く文章を作成するタイピング能力などが求められます。

人材を採用したとしてもすぐに電子カルテの入力を任せられるとは限りません。 早期にクラーク運用を開始したい場合は、医療クラーク経験者や医療事務の有資格者に絞って人材を採用するとよいでしょう。

また、医師のサポート業務を行っていた既存スタッフであれば、最小限の教育で医療クラークに配置転換することができます。

電子カルテのクラーク運用で業務効率化を狙おう

電子カルテの普及に伴い、医療クラークはその重要性が増している職種です。 業務効率化によって現場の負担が軽減することはもちろん、患者の満足度や他の医療機関からの評判も向上することが期待できます。

教育に時間がかかるといったデメリットもありますが、現場の労働環境を改善するためにもクラーク運用について前向きに検討してみましょう。