医療現場におけるタブレット端末の活用

医療現場におけるタブレット端末の活用
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タブレット端末の発展

現在では仕事やプライベートに関わらず、様々なシーンで使用されているタブレット。出かければ必ずどこかで目にするほど、我々の生活になくてはならない存在になっています。そもそも英単語のTabletには平板、書字板ということから携帯できる平板といった意味があります。位置づけとしては、タッチパネルを搭載した携帯用パソコンで、ノートパソコンとスマートフォンの中間のデバイスです。

タブレット端末の名を世に広めたのはやはりiPadでしょう。

201057日、世界はアップルのスティーブジョブズによって発表されたiPadに皆が驚き、様々な可能性に期待をしました。iPadが登場した時期からタブレットの普及が急速に進み、iPadだけでなく、AndroidWindowsと日々いろいろな端末が誕生しています。サイズも7インチから10インチ、11インチと用途に合わせて選ぶことができるようになりました。

医療現場でのタブレット端末の活用

そんなタブレットは、場所を選ばず利用できる、携帯しやすい、必要な情報を瞬時に見ることができる と様々なメリットがあるため医療現場でも取り入れられることが多くなっています。

ここではタブレットが一般的に医療現場でどのように活用されているか、4つご紹介します。

1.診療をサポートする端末として

患者さんに対して検査や手術前の説明は印刷した資料を使って口頭で行うのが一般的です。

しかしタブレットがあれば、携帯しやすく説明の場所を選ばないので、患者さんのベッドサイドまで持ち運んで、電子カルテの画面や医療画像を見せながらスムーズに説明が行えます。タブレットを使用することで動画での説明も可能になり、実際の効果として患者さんの理解向上に期待ができるようになりました。

また、パソコンの画面よりも近い距離で患者さんと情報を共有することができるので、円滑なコミュニケーションのツールとしても一役を買っています。さらに毎日大量に使用していた紙やインクも使用する必要がないため、経費の節減にも繋がり、自然環境への負荷も減らすことができるので一石二鳥以上の効果が得られます。

2.検査入力・指示確認を行う端末として

コメディカルが医師から依頼されたリハビリや処置、検査を行う際にも、タブレットが活用されています。電子カルテと連動していることも多く、リハビリや処置、検査をしながら端末を操作することにより、指示の確認や実施の入力をすることもできます。

バーコードやQRコードを活用すれば、機器管理にも利用でき大変便利です。また、ここでもタブレットの携帯のしやすさがポイントとなっており、かつてITが進んだ医療現場では重いPDAを利用していましたが、それもどんどんタブレットに変化していっています。

PDA (Personal Digital Assistant)はタブレットが世の中を席巻する前に利用されていた携帯端末。

3.患者さん自身が操作する端末として

タブレットの携帯しやすさと、誰でも直感的に操作できるという特性から、患者さん自身が操作する問診端末や再来受付端末としても利用されています。特に問診端末は、問診内容をクリニックに合わせて自由に変更したり、その内容を電子カルテに送信したりとどんどん進化しています。

患者さんも普段から身近にタブレットがあり操作にも慣れているため、それほど抵抗もなくタブレットを受け入れてくれるというのも利用拡大の理由のひとつです。医療機関によっては待ち時間の過ごし方を変えて顧客満足度を上げる目的で、タブレットを患者さんに貸し出し、医療に関するデジタルサイネージ(動画による医療の知識向上や自費診療のCMなど)を見てもらう仕組みを実践しているところもあります。

4.在宅医療における情報管理端末として

在宅医療の分野では患家や施設など出先で利用するシーンが増えてきています。パソコンに比べ、キーボード入力のしやすさはさすがに劣りますが、携帯のしやすさ、起動の速さからタブレットの活用が進んでいます。

電子カルテを確認したり、患者さんの状態をカメラで撮影したり、データを見る・保存するということにタブレット端末が活用されています。また、院内のコミュニケーションツールとしての活用や地域連携用の端末としての今後の期待値も高く、在宅医療はタブレット端末の活用が最も進んでいる分野だと言えます。

当社電子カルテでのタブレット端末の活用

当社の電子カルテもタブレット端末やスマートフォンでカルテや処方の内容を見ることができます。セコム・ユビキタス電子カルテ、セコムOWELは共にクラウド型の電子カルテで、どこでも利用できるという特徴から在宅医療の分野で広くご利用いただいています。パソコンよりもさらに手軽に使えるタブレット端末やスマートフォンは現場になくてはならない存在となっています。

例えば、患者さんのバイタルを数値で入力したり、カメラ機能で褥瘡の写真を即座にカルテに書き込んだり、診療情報提供書を作成してそのままFAXを送ったりすることもできます。また、他の便利アプリを利用すれば、地図アプリを利用して訪問先を検索したり、連絡アプリを活用して医師と事務とやり取りをしたりと、様々な使い方ができます。急な往診でも手軽に持ち出せるということもあり、多くのユーザー様がタブレット端末やスマートフォンを利用されています。

まとめ

タブレット端末が世間一般に浸透してから、それらを利用したソフトやサービスは常に進化を続けています。タブレット端末がもたらす進化は医療の現場でもさまざまな変化を生み出しています。

最近では血圧計や体温計、体重計、心電計など他の専門機種との連携し、タブレット端末の通信機能を利用した遠隔診療のサービスも始まっています。院内だけの利用ではなく、離れた場所にいる患者さんとのコミュニケーションツールとして、インフォームドコンセントを追求した取り組みにタブレット端末のさらなる進化が期待されています。