遠隔読影のメリットとデメリットについて

遠隔読影のメリットとデメリットについて
目次

遠隔読影にはメリットもありますがデメリットもあります。
まずはメリットについてお話をさせていただきます。

<遠隔読影4つのメリット>

① 読影医不足の解消

常勤による画像診断専門医の確保が難しい場合や、検査数の増加による放射線科医の業務過多などを避けたい場合に、遠隔読影を利用し読影医不足を解消することができます。
また、遠隔読影を加えることで日々の診断の遅延がなくなり、診療のスピードアップにつながります。


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② 放射線診断専門医による質の高いレポート

検査目的や専門性に合わせた読影医のアサインが可能なため、質の高いレポートが返却されるので適切な診断が可能です。
ご要望があれば、主治医と読影医が画像を見ながら問い合わせが出来るテレフォンカンファレンスも可能です(ホスピネットの遠隔画像診断支援サービスの一部)。


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③ 検査装置の有効活用で稼動率をUP

院内での読影の未消化により躊躇していた検査数の増加も、遠隔読影を利用することにより安定した読影力の供給ができるため検査装置の稼働率UPも見込めます。
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④ 病院機能評価に寄与できる

病院機能評価とは、公益財団法人 日本医療機能評価機構によって、日本の病院を対象として病院組織全体の運営管理や提供される医療を評価する仕組みです。
病院機能評価により、一定の水準を満たした病院は「認定病院」となります。
認定病院は、地域に根ざし、安全・安心、信頼と納得の得られる医療サービスを提供すべく、日常的に努力している病院と言えます。
現在、全国の約3割の病院が病院機能評価を活用しています。
病院機能評価の審査には、全部で24部門の調査がありますが、(6)画像診断(放射線)部門(機能)の項目で遠隔読影に関する質問があります。遠隔読影の利用は評価対象になります。

次にお話するのは、デメリットです。

<遠隔読影の1つのデメリット>

① 画像診断管理加算の算定がとれない

遠隔読影メーカーによる画像診断支援サービスを利用していると、画像診断管理加算の算定がとれません。画像診断管理加算の施設基準は以下の通りです。

令和2年度厚生労働省診療報酬改定より

画像診断管理加算1の施設基準 70点(月1回算定:月最初の診断の日)
放射線科を標榜している保健医療機関であること
画像診断を専ら担当する常勤の医師が配置されていること
画像診断管理を行なうにつき十分な体制が整備されていること
画像診断管理加算2の施設基準 180点(月1回算定:月最初の診断の日)
放射線科を標榜している病院であること
画像診断を専ら担当する常勤の医師が配置されていること
画像診断※1についてロの医師の指示のもとに管理を行なっていること
画像診断※1で八割以上の読影結果が、ロに規定する医師により遅くとも撮影日の翌診療日までに主治医に報告されていること
画像診断管理加算3の施設基準 300点(月1回算定:月最初の診断の日)
放射線科を標榜している特定機能病院であること
画像診断を専ら担当する常勤の医師が配置されていること(6名)
画像診断※1についてロの医師の指示のもとに管理を行なっていること
画像診断※1で八割以上の読影結果が、ロに規定する医師により遅くとも撮影日の翌診療日までに主治医に報告されていること
当該保健医療機関において、夜間および休日に読影を行なう体制が整備されていること
※1当該保健医療機関において実施される全ての核医学診断及びコンピューター断像撮影診断

「ロ:画像診断を専ら担当する常勤の医師が配置されていること」や「画像診断で8割以上の読影結果が、ロに規定する医師より遅くとも読影日の翌診療日までに主治医に報告されていること」が必須条件となっています。 仮に遠隔画像診断支援サービスを併用して施設基準を満たしても画像診断管理加算1、2、3のいずれも施設基準を満たすことはできません。

このデメリットは遠隔読影による画像診断支援サービスの利用を検討中の医療機関にとっては頭の痛い問題かもしれませんが、違う切り口で考えてサービスを利用すればメリットになります。 例えば、「検診」の画像診断支援サービスの利用については診療報酬の算定には関わりません。検診の読影だけを遠隔画像診断支援サービスに読影依頼すれば常勤医による検診の読影負荷を減らすことが出来きるので充分メリットになります。 ホスピネットでは、胸部検診、胃がん検診、乳がん検診、眼底検査も読影しております。ほかにもCT、MRIをはじめ、核医学、大腸CT、冠動脈CT、心臓MRI、PET-CT、乳腺トモシンセシスを読影していますので、臨床医の皆様の幅広いニーズにお応えすることが出来ます。 また、院内ステム(電子カルテ、HIS、レポートシステム)と柔軟に連携しているので業務の自動化やペーパーレス化などいっそうの効率化が推進できます。 読影レポートのサンプルや料金についてもご案内できますのでお問い合わせください。
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参考・引用文献
公益財団法人 日本医療機能評価機構 部門別調査票