読影ってなに?

読影ってなに?
目次

まず、日常生活では聞き慣れない言葉「読影:どくえい」について説明します。 次に画像診断や遠隔読影とは何なのか解説します。

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読影について

読影とは、エックス線や心電図、内視鏡などの検査画像を1枚1枚丁寧に読み解き、医師が診断することをいいます。 読影する医師のことを読影医と呼びます。読影医は、病院の放射線科に常勤で勤務する医師だけでなく、遠隔画像診断支援サービスを提供する会社に在籍する医師も含んでいます。

画像診断について

画像診断とは、体内を覗かなければわからない腫瘍や梗塞などを画像にして異常の有無を診断する技術であり医療行為です。 病院の内科や外科で体内を観察する手段として、よく知られているのはエックス線があります。その他に磁気、超音波、熱、光が用いられます。 例えば、CT検査(エックス線)、MRI検査(磁気)、超音波検査(超音波)、サーモグラフィー(熱)などです。これらの検査を行うことで、がんなどの病気を、体を傷つけずに早期に発見することができます。 また、画像診断は医療行為として認識されています(日本医学放射線学会の「遠隔画像診断に関するガイドライン」より)。 画像診断は診断確定に重要な役割を果たし、さらに治療方針決定に大きく関わっています。医師は、画像診断のためにあらゆる情報を駆使しながら活用し、その行為は医師によってのみ行われる医療行為として位置づけられています。

遠隔読影とは

遠隔読影とは、医療機関で撮影された医用画像を、通信ネットワークを利用し医師がいる施設へ画像を送信し画像診断することです。遠隔画像診断用サーバを用いて、PACS注1)またはモダリティの画像情報をデータセンターや読影医の端末に送信し、画像診断用端末で読影します。 そして、読影医は報告書(レポート)を作成し返送しますが画像の送信・報告の通信については VPN注2)などによる暗号化通信が必須とされています。情報漏洩のリスクを無くす観点から画像診断用端末内にデータを残さないシステムが望ましいといわれています。 また、モニタで画像診断を行うので、モニタの解像度、輝度、表示階調特性などは、表示部位や診断内容により、適正なものを選ぶ必要があります。特に適切なキャリブレーション(装置の個体差を調整し、繊細な色調表示ができるよう使用前に補正すること)を行うことが重要です。液晶モニタはCT, MRI読影用、乳房X線画像診断用、胸部X線画像診断用でそれぞれ必要とされる性能があるので、適切に管理・整備されなければいけません。

注1) Picture Archiving and Communication Systemsのことで、医療用画像管理システム。CR, CT,MRIといった画像撮影装置で撮影した画像を医療画像規格である「DICOM」を用い、データの受信、データベースによる管理を行い、診療用端末に表示するシステムのこと。

注2) Virtual Private Networkのことで、仮想的な専用ネットワークの総称

遠隔画像診断支援サービスを提供するホスピネットでは、毎日、全国の医療機関から依頼される様々な検査目的のCTやMRI、PET、マンモグラフィなどの医用画像が到着します。それらの画像はセキリュティが担保されたセコムのセキュリティ技術を活かした専用の通信網を使って東京の読影センターのほか、全国各地の読影拠点の画像診断用端末へ送信し、読影医の専門性や得意分野に合わせた読影が行なわれています。ホスピネットセンターでは、使用する画像診断用端末やモニタに適切な性能や品質が準拠されているかをチェックし、読影の質を高める環境整備に努めています。

ホスピネット遠隔画像診断支援サービス.png ホスピネット遠隔画像診断支援サービス イメージ図

ホスピネットの強み

  • 在籍する約100名の放射線診断専門医が検査の種別に応じた良質な読影レポートをご提供
  • セコム先進のセキュリティ技術を活かした堅固なネットワークを利用
  • 読影拠点を多数確保することによりBCPに対応
  • 東日本・西日本の2拠点のデータセンターでレポートデータを安全管理

遠隔画像診断支援サービスの活用例

ホスピネットのご契約先で遠隔読影を導入するきっかけで一番多いのは、読影医の負荷を少なくしたい、内科や外科などで専門外または不安な領域の画像の読影を依頼したいというようなケースです。 ある医療機関様より検査装置の入れ替えのご相談がありました。ホスピネットでは検査装置の稼働率をUPさせる方法として地域の一般病院と装置を共同利用することを提案しました。他院からの紹介患者を増やすことで検査料収入もアップ出来ますし、増件した検査の読影は遠隔画像診断支援サービスの活用でまかなうことができます。 ホスピネットの遠隔画像診断支援サービスをご活用いただければ、常勤医に負荷をかけることなく増件した検査の読影が出来ます。

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参考・引用文献:
遠隔画像診断に関するガイドライン 2018. 日本放射線科専門医会・医会遠隔画像診断ワーキンググループ・日本医学放射線学会電子情報委員会.