脳ドックとは?必要性について解説

公開日:2023年2月8日

脳疾患は発症すると死亡率が高く、回復しても後遺症が残ることが多いです。早期発見して治療するには、脳ドックが効果的です。

本記事では、脳ドックの検査内容や受けたほうがよい人のタイプ、必要性などをわかりやすく解説します。

脳ドックとは

脳ドックとは、脳疾患の早期発見や予防を目的とした健康診断の一種です。さまざまな脳疾患を発見、予防することが可能で脳腫瘤やくも膜下出血の原因となる未破裂動脈瘤の発見をすることができます。

人間ドックでは全身の健康状態を検査しますが、一般的に脳の検査はオプションでつけなければ実施しません。脳ドックは脳に特化した検査で、より精密に脳の状態を知ることができます。

脳ドックは希望すれば誰でも受けられる検査です。しかしMRIを使用するため、以下の条件に当てはまる場合は事前に相談が必要です。

  • ペースメーカーを入れている
  • 体内に金属が入っている
  • 刺青やタトゥーが入っている
  • 妊娠中や妊娠の可能性がある
  • 狭い場所や暗い場所が苦手である など

MRIでは強い磁力を用いて検査を行います。そのため体内に金属がある場合や、赤ちゃんがいる場合などは受けられない可能性があります。

また検査中は狭くて暗い場所に、30分前後動けない状態で待機しなくてはいけません。そのため閉所恐怖症の人は苦痛を感じることがあり、事前に相談したほうが安心です。

脳ドックの検査内容とわかる病気

脳ドックでは一般的に以下の検査を実施します。検査内容は施設や選んだコースによって異なるため、どの検査をしたいか事前に決めておくとスムーズです。また検査によって発見できる病気に違いがあります。

検査名 検査内容 見つかりやすい病気
MRI検査 脳そのもの(大脳・小脳・脳幹・脊髄)を検査し、異常の有無を確認できます。 脳腫瘍・脳委縮・無症候性脳梗塞・脳梗塞・脳微小出血・白質病変など
MRA検査 頭部と頸部の動脈に異常がないか確認できます。狭窄、拡張、瘤、奇形の有無がわかります。 動脈瘤・動脈乖離・血管の異常や屈曲、奇形など
頸動脈エコー検査 頸動脈に動脈硬化が表れているか確認できます。 動脈硬化

MRI検査とMRA検査は、脳ドックでは基本の検査です。この2つの検査だけで多くの脳疾患を見つけられます。

病院に設備があれば、一般的に心電図や血液検査、認知機能検査など、人間ドックや認知症検査にある検査をオプションで付け足すことが可能です。不安がある場合はまとめて検査を受け、健康維持に生かしましょう。

脳ドックを受けたほうがよい人

脳疾患のリスクはすべての人にあるものです。しかし年齢やライフスタイル、遺伝などの要因でリスクの高さは異なります。以下のような人は、定期的な脳ドックを受けたほうが安心です。

40歳以上の人

脳疾患は年齢を重ねるほど起きやすくなります。40歳以上の人で、一度も脳ドックを受けていない場合は、早めに受診したほうがよいでしょう。

40歳くらいになると、これまでの生活習慣が何らかの形で体に出てくることが増えます。脳疾患もそのひとつです。

また40代は仕事が忙しくて生活習慣が乱れたり、ストレスを抱えたりする機会が増える年代です。症状はなくても体に負担がかかり、病気が進行し始めている可能性があるため、40歳を超えたらぜひ一度脳ドックを受けましょう。

生活習慣病を持っている

高血圧や高脂血症、糖尿病など、生活習慣病を持っている人は、動脈硬化になりやすく、脳卒中になるリスクが高いです。生活習慣を見直すとともに、脳ドックを受けたほうがよいでしょう。

生活習慣病は、食事や運動を意識すれば改善できるものもあります。しかし、脳疾患は一度発症すると自分で治すことはできません。生活習慣病が改善した後であっても脳疾患が発症する可能性はあるため、脳ドックで脳の状態を正確に把握しておきましょう。

血縁者に脳疾患・脳卒中になった人がいる

家族や血縁者に、くも膜下出血になった人がいる場合は、定期的に脳ドックを受ける方がよいとされています。くも膜下出血は、脳の血管にできた瘤が破裂して起きるものと、動静脈奇形という血管の異常が原因で起きるものに分かれます。

このうち、瘤が原因で発生するくも膜下出血は、遺伝的な要因が強いとされています。瘤ができていても、くも膜下出血にならないことも多いですが、定期的に脳ドックを受けたほうがよいです。

くも膜下出血以外の脳疾患や脳卒中の遺伝性は、まだ明確にわかっていません。しかし、脳卒中の原因になる高血圧や糖尿病などは遺伝性があると考えられています。脳ドックを受けるとともに、これらの病気にならないように気をつけることも大切です。

飲酒や喫煙をする

飲酒や喫煙の習慣は、血管に負担をかけやすいです。動脈硬化にもなりやすいことから、脳卒中になるリスクが高いです。

脳疾患を発症する年齢は、50代から急激に増え始め、70代にピークを迎えます。
若い頃からこれくらいの年代まで飲酒や喫煙を続けている場合は、とくに注意が必要です。自覚症状がなくても、ぜひ一度は脳ドックを受けましょう。

頭痛やめまいなど気になる症状がある

頭痛やめまいを始めとした、気になる症状がある場合も脳ドックを受けたほうがよいです。体質や天候の影響で不調が起きることも多いですが、もしかしたら危険な脳疾患が隠れているかもしれません。

脳ドックを受ければ安心できるとともに、症状の原因が見つかって改善できることもあります。

脳ドックが必要な理由

脳ドックが必要な一番の理由は、脳や血管の異常を早期に発見できるためです。脳疾患の原因は、血管の問題であることが多いです。血管が詰まったり、破れて出血したりすることで、さまざまな怖い症状を引き起こします。

しかし脳の血管は多少異常があっても自覚症状が出ません。そのため、症状が出たときにはすでに進行しており、命を落としてしまうことや、後遺症が残ってしまうことが多いです。

自分ではなかなか気付けない異常を早期発見し、治療するために脳ドックは欠かせません。

脳ドックは脳疾患の発見と予防に効果的

今回は脳ドックの必要性について紹介しました。ポイントを再確認しておきましょう。

  • 脳ドックとはMRI検査やMRA検査によって脳や血管を調べる
  • 脳ドックによって脳腫瘍、脳委縮、無症候性脳卒中などが分かる
  • 年齢やライフスタイル、遺伝などの要因で脳疾患リスクが高まる
  • 脳ドックを受けることで脳や血管の異常を早期に発見できる


脳ドックではMRI検査やMRA検査を行い、脳や血管を徹底的に調べます。脳そのものや血管の異常を早期に見つければ、重篤な症状が出る前に治療でき、後遺症も残りにくいです。

脳疾患のリスクはさまざまな要因によって変わります。年齢を重ねるほどリスクが高まるため、40歳を超えたら脳ドックを一度は受けておきましょう。

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