定年後の第二の人生を「セカンドライフ」と呼びます。豊かなセカンドライフを送るには、高齢期に多い虚弱(フレイル)を克服したり、自身の健康状態をきちんと把握したりすることが大切です。
この記事では、セカンドライフの定義や老後生活を充実させる方法を解説します。
セカンドライフとは定年後の第二の人生を指す言葉で、セカンドステージと呼ばれることもあります。生活水準の向上や医療技術の発展により、日本の平均寿命は急激に延びました。60歳や65歳で定年を迎えても、さらに約15年~20年ほどの長い人生を送ることになります。
まずはセカンドライフが何かを理解するため、平均寿命と健康寿命の違いや、高齢期に注意が必要な虚弱(フレイル)について解説します。
日本の平均寿命は世界的にみても高水準です。厚生労働省の「令和3年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.47年、女性の平均寿命は87.57年であり、新型コロナウイルスなどの影響で前年をやや下回ったものの高い水準を維持しています。(※)60歳もしくは65歳で定年を迎えたとすると、約20年ほど定年後の生活を送る可能性があります。
平均寿命と関係のある指標が健康寿命です。健康寿命は病気などによる制限を受けず、健康な日常生活を送ることができる期間を指します。内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、令和元年時点の健康寿命は男性が72.68年、女性が75.38年で、平均寿命(男性81.41年、女性87.45年)と比較すると、健康寿命が平均寿命を下回っていることがわかります。(※)
このように健康なセカンドライフを送るためには、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすことが大切で、最近は健康意識の高まりにより、健康寿命は平均寿命を上回る勢いで延びつづけています。
※出典:厚生労働省. 「令和3年簡易生命表の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life18-15.pdf, (入手日付2022/12/16).
※出典:内閣府. 「令和4年版高齢社会白書(概要版)(第2節 高齢期の暮らしの動向)」.https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/gaiyou/s1_2.html, (入手日付2022/12/16).
健康寿命を縮める要因のひとつが、高齢者に多くみられる虚弱(フレイル)です。フレイルは日本老年医学会が提唱した言葉で、高齢期に体力や気力、筋力などが低下し、要介護状態に近づくことを意味します。(※)
フレイルの最も大きな原因の1つが筋肉の衰えですので、タンパク質を含んだ食事をとり、定期的に運動やスポーツを行い筋肉が衰えるサルコペニア現象の進行を遅くすることが大切です。そのためには、日頃から健康意識を高め、健康長寿に大切な、栄養・運動・社会参加をリンクさせた生活サイクルを心がけましょう。
※出典:一般社団法人 日本老年医学会. 「超高齢社会におけるフレイルの意義」.https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/press_seminar/report/seminar_02_01.html, (入手日付2022/12/16).
セカンドライフを充実させる方法はさまざまですが、ここでは3つの方法をご紹介します。
厚生労働省は高齢期の生活を改善するため、2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定しています。健康寿命延伸プランで提唱されているのが、健康寿命を延ばすための3つの柱です。(※)
政府も積極的に健康寿命を延伸する取り組みに着手していますが、国民一人ひとりが健康を意識することでさらにその働きを強めることができます。
健康的な生活習慣の例として、朝食を必ず取ること、バランスの良い栄養の摂取、適度な運動、節度のある飲酒、十分な睡眠などが挙げられます。
※出典:e-ヘルスネット. 「健康寿命延伸プラン」.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/hale/h-01-004.html, (入手日付2022/12/16).
健康寿命延伸プランでも挙げられているとおり、怪我や疾病のリスクを軽減するには、定期的に健康診断や人間ドックを受けることが大切です。
定期的に健康診断、人間ドックを受けて自分の健康状態をしっかりと把握することも大切です。
老後生活を安定させるため、早い段階から老後資金の貯蓄に取り組みましょう。充実したセカンドライフを過ごすには、平均して1人あたり2,000万円の老後資金が必要だとされています。早い段階から老後資金を貯めておくことで、経済的にゆとりのあるセカンドライフを送ることができます。
セカンドライフとは、定年を迎えた後の第二の人生を指す言葉です。日本の平均寿命は年々延びており、セカンドライフも長くなっています。豊かな老後を迎えるには、健康への意識を高く持ち、健康寿命を延ばす取り組みが必要です。また健康診断や人間ドックを定期的に受診し、自身の健康状態をしっかりと把握しましょう。
あんしんのセコムが提供する会員制健康管理サービス「セコム健康くらぶKENKO」では、加齢による筋肉量の減少、筋力低下のサルコペニアの検査が、標準検査項目に含まれた人間ドックコースがあります。会員ひとりにつき、ひとりの主治医と保健師・看護師・栄養士により構成されたチームが、会員様の健康的な日常生活や食事・運動習慣・体調管理まで丁寧にサポート、アドバイスします。