人間ドックとは?目的や検査内容について

公開日:2023年2月8日

人間ドックは健康管理に欠かせない検査です。しかし健康診断を受けていればよいと考える人も多いようです。本記事では、一般的な人間ドックを受ける目的や検査項目を解説いたします。人間ドックの重要性を確認していきましょう。

人間ドックとは

人間ドックは、病院で受ける体の総合的な検査のことをいいます。具体的にはどのような検査なのか、健康診断との違いも知っておきましょう。

全身の精密検査のこと

人間ドックでは、病院でさまざまな検査方法によって体の精密検査をします。1年に1度は受けたほうがよいとされており、健康推進活動の一環として、自治体が受診費の一部負担をしていることもあります。

検査内容は選んだコースによって異なりますが、病気の早期発見や生活習慣の見直しなどができます。一般的に仕事や生活環境に変化の起こりやすい30歳を過ぎたら定期的な受診がおすすめです。

なお人間ドックという言葉の由来は「港」に関連しています。寄港した船舶が船渠(ドック)に入って、点検やメンテナンスを受ける様子に例えて、人間ドックと呼ばれるようになりました。

健康診断との違い

人間ドックと健康診断は同一視されやすいです。どちらも体の状態をチェックするという意味では同じですが、義務や検査内容は大きく違います。

健康診断は自分の健康状態を知る指針となるものです。生活習慣病や健康リスクを知り、日々の健康維持に役立てます。また企業に勤めている人は、年に1回の健康診断が労働安全衛生法で義務付けられています。

人間ドックは健康診断をより精密にしたものです。受診は個人の自由ですが、健康診断よりもより細かく専門的な検査ができます。検査項目も自分で選択できるため、気になる部分や遺伝的に不安がある病気など、的を絞った検査も可能です。

人間ドックを受けるメリット

人間ドックは健康診断よりも時間と費用がかかります。それでも人間ドックを受けたほうがよいといわれるのは、2つの大きなメリットがあるからです。

病気の早期発見ができる

人間ドックの検査項目は非常に多く、体の細部まで徹底的に検査できます。

これにより健康診断では見つからなかった初期の病気を発見できる可能性が高まります。自覚症状がない病気が見つかることも珍しくありません。がんを始めとした進行性の病気は、早く発見すれば治療の選択肢が多く、根治できる可能性も上がります。

生活習慣の見直しがしやすい

人間ドックは、検査後に医師との面談があります。検査結果から、自分の体がどのような状況にあるのかを知り、病気になるリスクや必要な改善も明確にみえてきます。指摘された部分やリスクが高い病気から、生活習慣を適切に見直せるでしょう。

また健康や病気のリスクに不安がある場合は、医師に相談ができます。医師の豊富な知識から、今後の健康維持に役立つ情報が得られる点も大きなメリットです。

人間ドックの主な検査内容

人間ドックで行う一般的な検査内容を紹介します。

血液検査

血液検査では、高脂血症や糖尿病、肝炎、貧血、感染症など、さまざまな体の状態がわかります。病気だけでなく、抱えている健康リスクも見えてくる重要な検査です。

心電図検査

心電図検査は、心臓の動きを調べる基本となる検査です。検査の方法は複数ありますが横になって安静にした状態で、胸と両手足に電極を付けて記録する方法が一般的です。

拍動が波状に記録され、心臓の動きに異常がないかを確認します。心電図検査では、不整脈や狭心症、心筋梗塞など危険な症状の兆候を見つけることが可能です。

呼吸機能検査

呼吸機能検査はいわゆる肺活量を測る検査です。大きく息を吸い込み、吐き出して肺の機能を肺活量として確認します。

肺活量が低すぎる場合は、肺炎や肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が疑いが高く、場合によってはより詳しい検査を受けます。

胸部X線検査

X線を利用する検査の一つである胸部レントゲン検査は胸部全体にX線を照射し、胸部の状態を確認する検査です。放射線を使うため、妊娠中は事前に申告しなくてはいけません。胸部レントゲン検査では、肺炎や結核、肺がんや心肥大などもわかります。ただ人間ドッグでは、体の周りからX線をあて、レントゲンでは判断できない数ミリの病変を判断するCTを使用する施設が増えてきました。

MRI検査

MRI検査は人体に高周波の磁場を与えることで体内の共鳴現象を引き起こし、その結果を断面画像として写し出して分析する検査を指します。

MRI検査によって発見できる主な疾患として、脳血管疾患や椎間板ヘルニア、子宮がん、卵巣がんなどが挙げられます。

ただし、心臓ペースメーカーを埋め込んでいる場合や人工内耳、人口中耳を装着している場合など、一部の条件によってはMRI検査を受けられません。

腹部超音波検査

腹部超音波検査とは腹部に超音波を当てて、そこから内臓の状態を画像にして検査する方法です。肝臓・膵臓・腎臓の状態を見る際に使われ、腫瘍や脂肪肝、胆石の発見などができます。

上部消化管検査

上部消化管(食道・胃・十二指腸)検査は、造影剤のバリウム液を飲んでX線を照射し確認するX線検査と、口または鼻から内視鏡を挿入し、内腔を確認する内視鏡検査があります。
どの検査をするかは、施設や状況によって違ってきますが、どちらも前日から食事制限がかかります。

この検査では胃潰瘍や胃がん、食道がん、十二指腸潰瘍などの病気が発見できます。

尿検査・便検査

尿検査・便検査とは尿や便から病気を見つける検査です。尿検査は検査当日に採取しますが、便検査は事前に受け取ったキットを使い家で採取します。

尿検査からは腎炎や糖尿病、膀胱がんや前立腺がんなどがわかり、便検査では主に腸の問題が発見できます。

人間ドックは健康維持に欠かせない

人間ドックは病気の早期発見や、リスクの低下に役立つとても重要な検査です。30歳を過ぎたら定期的に受けるようにしましょう。人間ドックの特徴とメリットは次のとおりです。

  • 人間ドックは健康診断をより精密にした検査
  • 人間ドックを受けることで病気の早期発見、生活習慣を見直せる
  • 人間ドックは血液検査、心電図検査などの検査を実施する


人間ドックで得た情報を健康維持に生かすには、受けて終わりにしないことが大切です。検査結果に問題がなかったとしても、定期的に医師の診察を受けて健康維持を意識しましょう。自分の体のことをよく知っている主治医がいれば健康管理がしやすく、病気が見つかったときも慌てずにすみます。

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