前立腺は、前立腺液を分泌する男性にしかない器官のひとつです。前立腺は加齢とともに大きくなり、前立腺肥大症などの病気を引き起こす可能性があります。また、欧米型の食生活をつづけている人は、前立腺がんのリスクが上昇するとされています。前立腺疾患にならないためには、食生活を中心に生活習慣を改めることが大切です。
この記事では、前立腺の役割や、前立腺に多い2つの病気、前立腺疾患を予防する方法を解説します。
前立腺とは男性にしかない栗の実サイズ(20g程度)の臓器で、膀胱のすぐ下にあり、男性の生殖機能をサポートする働きがあります。
前立腺の役割のひとつが、精子を保護する前立腺液を分泌することです。前立腺液には精子の運動を活発化する働きがあるため、男性の生殖機能と密接な関わりがあります。また、前立腺は平滑筋と呼ばれる筋肉でできた臓器です。射精時の前立腺が収縮することで、精液の射出の勢いを補助する役割もあります。
前立腺に多い病気は、前立腺肥大症と前立腺がんの2つです。前立腺肥大症は加齢にともなって発症しやすい病気のひとつで、前立腺が肥大して尿道を圧迫し、残尿感や排尿困難などの症状が見られるのが特徴です。前立腺がんは男性がもっともかかりやすいがんでもあります。(※)。
※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター.「最新がん統計のまとめ」https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html#anchor1, (2023-01-04).
前立腺肥大症は加齢とともに前立腺が肥大し、尿が出にくいなどの症状が出る病気です。前立腺には、尿道を取り囲む「中心領域(移行領域)」という場所があります。中心領域が肥大し尿道を圧迫することで、さまざまな排尿症状を引き起こすのが前立腺肥大症です。
前立腺肥大症の診断は、国際前立腺症状スコア(I-PSS)に基づいて行われます。国際前立腺症状スコアが8点以上の人は、ただちに医療機関を受診し、前立腺肥大症の治療を受けましょう。
前立腺がんは高齢期の男性に多いがんです。日本の男性にもっとも多いがんは前立腺がんだとされています。(※)前立腺がんが進行すると、排尿時の痛みなどの排尿症状や、血尿などの症状が現れます。
前立腺がんは、スクリーニング検査と呼ばれる検査で早期発見することが可能です。スクリーニング検査には、血液内の腫瘍マーカーを検査するPSA検査があります。
※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター.「最新がん統計のまとめ」https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html#anchor1, (2023-01-04).
前立腺疾患を予防する方法を、ここでは2つ紹介します。
前立腺疾患のなかでも、前立腺がんは健康な食生活をつづけることで予防に有効である可能性があります。欧米型の食生活を見直し、野菜や果物、魚、大豆、全粒穀類などを中心とした健康的な食事スタイルに切り替えましょう。
また、前立腺疾患は50歳以上の男性に多く見られる病気です。定期的に健診や人間ドックを受診し、前立腺の異常を早期発見すれば適切な治療を行うことができます。
前立腺がんのリスクは、食生活を見直すことで低減できます。前立腺がんのリスクを引き上げるとされているのが、肉や糖分、加工食品をメインとした欧米型の食生活です。欧米型の食生活ではなく、野菜や果物、魚、大豆、全粒穀類をメインとした健康的な食生活に切り替えることで、前立腺がんにかかるリスクを下げられます。また、前立腺がんと診断された人の死亡率を下げる効果も期待できます。
尿が出にくかったり、排尿後に尿が残っている感じがしたりする場合は、前立腺に異常が生じている可能性があります。症状が気になるときは近くの医療機関を受診しましょう。信頼できるかかりつけ医を見つけることで、前立腺に関する悩みを相談できます。また前立腺がんは早期発見が可能なため、定期的に検査を受けることが大切です。
今回は、前立腺の役割や働きについて紹介しました。前立腺についてのポイントは以下のとおりです。
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