帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそうと同じウイルスが原因の皮膚疾患です。帯状疱疹の発症率は50歳から高くなり、80歳までに約3人に1人の割合で発症するといわれています。帯状疱疹は早期発見・早期治療が可能な病気です。
また生活習慣の改善や、帯状疱疹予防ワクチンの接種により、帯状疱疹の発症リスクを抑えることができるといわれています。原因や予防方法がわかれば、帯状疱疹は怖い病気ではありません。
この記事では、50代から気をつけたい帯状疱疹の症状や原因、予防方法をわかりやすく解説します。
帯状疱疹とは赤い発疹や水ぶくれが特徴の皮膚疾患です。とくに50歳以上の人に多く見られ、80歳までに約3人に1人の割合で発症するといわれています。宮崎県で行われた大規模疫学調査(1997年~2017年)でも、帯状疱疹にかかった人の約7割が50歳以上の患者でした。(※)
帯状疱疹を引き起こすのは、水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスです。水痘・帯状疱疹ウイルスは、日本の成人の90%以上が保有していることがわかっています。(※)
※出典:国立感染症研究所. 「帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ(1997-2017)」アップデート」. https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2433-iasr/related-articles/related-articles-462/8235-462r07.html, (入手日付2022/12/19).
※出典:国立感染症研究所. 「2017年度感染症流行予測調査」.https://www.niid.go.jp/niid/ja/y-graphs/8132-varicella-yosoku-serum2017.html, (入手日付2022/12/19).
帯状疱疹の主な症状は、痛みやかゆみをともなう赤い発疹(水ぶくれ)です。ほとんどの場合、帯状疱疹の症状は上半身の右側、または左側のいずれかに表れます。
帯状疱疹が悪化すると、帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれる神経疾患を引き起こす可能性があります。早期発見・早期治療が可能な病気で、抗ウイルス薬などを早期に投与することで、水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えられます。
帯状疱疹は、体内に潜伏している水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化することで引き起こされます。
帯状疱疹を発症するメカニズムは以下のとおりです。
帯状疱疹の原因は「免疫力の低下」です。通常の場合、水痘・帯状疱疹ウイルスの活動は体の免疫力によって抑えられています。しかし疲労やストレス、加齢などが原因で免疫力が低下すると、水痘・帯状疱疹ウイルスが活発化して帯状疱疹の症状を引き起こします。なお水ぼうそうに感染したことがない人の場合は、ウイルスを保有していないため、帯状疱疹にかかることはありません。
帯状疱疹の予防方法は主に2つあります。50歳以上の人の場合は、帯状疱疹予防ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症リスクを抑えられます。また、帯状疱疹の原因は免疫力の低下なので、疲労やストレスを溜めない生活習慣を意識することで、帯状疱疹を予防できます。
50歳以上の人は帯状疱疹予防ワクチンを接種することができます。水ぼうそうにかかった経験がある人は、すでに水痘・帯状疱疹ウイルスへの抗体を持っていますが、病気への抵抗力は加齢とともに弱まります。帯状疱疹予防ワクチンの接種によって、免疫を強化し、帯状疱疹にかかるリスクを低くすることが可能です。また、もし帯状疱疹にかかっても、ワクチンを接種済みの場合は症状が軽くなる傾向があります。
ただし、持病や既往歴によってワクチンを接種できない場合があるため、事前にかかりつけ医へ相談することをおすすめします。
先述の通り帯状疱疹の原因は免疫力の低下です。免疫力は加齢とともに低下するため、免疫力を維持する生活習慣を意識する必要があります。免疫力が低下する原因は、疲労やストレスです。疲労やストレスが蓄積しないように睡眠不足を避け、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
音楽を聞いたり、読書をしたりなど、自分なりのストレス解消法を見つけることも大切です。また栄養バランスのとれた食事や適度な運動も、免疫力を維持する方法の一つです。
今回は、帯状疱疹の原因と予防について紹介しました。帯状疱疹の原因と予防のポイントは次のとおりです。
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