特許第7012065号
発明の名称:即効性抗がん剤分解剤及び抗がん剤分解方法
HDプロテクトは、抗がん剤を効率的に分解できるよう、pH、次亜塩素酸ナトリウム濃度を調整した抗がん剤分解溶液です。主要な抗がん剤10種類を素早く分解します(表1)。皮膚や目への刺激性はなく、安全性が高いことが確認されています(表2)。また、HDプロテクトで抗がん剤を分解した生成物が有害でないことも確認しています。(シミックファーマ株式会社委託Ames試験)HDプロテクトは中性に近い弱酸性のため、金属腐食性は軽微です。そのため、医療現場に多くあるステンレス製機器にもご使用いただけます。(川鉄テクノリサーチ株式会社委託試験)
抗がん剤(主要10剤)の分解効果試験結果
薬剤 | 効果 | 分解率(%) | 経過時間(分後) |
---|---|---|---|
シクロホスファミド | ● | 99.4 | 3(※) |
5-FU | ● | 99.9 | 3(※) |
ゲムシタビン | ● | 100.0 | 3(※) |
6-メルカプトプリン | ● | 100.0 | 3(※) |
シタラビン | ● | 100.0 | 3(※) |
ドキソルビシン | ● | 100.0 | 3(※) |
エトポシド | ● | 100.0 | 3(※) |
シスプラチン | ● | 100.0 | 3(※) |
カルボプラチン | ● | 99.8 | 3(※) |
ビンクリスチン | ● | 95.7 | 3(※) |
・抗がん剤濃度100μg/mlで実施
・分解率100%は検出限界以下であることを示します
※経過時間3分が検査機器で計測できる最速時間です。HDプロテクトが瞬時に抗がん剤を分解することを別試験によって確認しています。
安全性試験結果
(財団法人日本食品分析センター委託試験)
試験項目 | 結果 |
---|---|
単回経口投与毒性試験 | 異常は認められない |
急性毒性試験 | 異常は認められない |
眼刺激性試験 | 刺激性なし |
皮膚一次刺激性試験 | 刺激性なし |
皮膚累積刺激性試験 | 刺激性なし |
感作性試験 | 刺激性なし |
細胞毒性試験 | 問題ない程度 |
変異原性試験 | 誘起する作用なし |
HDプロテクトを用いた清掃時の抗がん剤曝露状況
10の医療機関で合計132カ所(清掃前群40カ所、HDP群92カ所)の曝露調査を実施。平均測定値を比較しました。
清掃前群:作業終了時、清掃前のタイミングで拭取り調査を実施したもの
HDP群:作業終了時、HDプロテクトで清掃を行った後に拭取り調査を実施したもの
HDプロテクトを用いた清掃時の抗がん剤曝露状況の詳細はこちら
HDプロテクトを使用する前に、噴霧場所に目視できる汚れがある場合は、あらかじめ取り除いてください。次に、安全キャビネットの作業台など、曝露が起こりやすい場所にHDプロテクトを噴霧します。まんべんなく噴霧した後、清潔な布やガーゼなどで水滴が残らないように拭き取ります。
HDプロテクトは、抗がん剤を素早く分解しますので、スプレー後すぐに拭き取ることができます。また、金属腐食性が軽微なため噴霧後の中和は必要ありません。
拭き取ったガーゼなどは、医療廃棄物として処理してください。その際、廃棄ボックスの中にもHDプロテクトを吹きかけることで、中に付着した抗がん剤も分解することができます。
HDプロテクトは 抗がん剤を扱う様々なシーンでお使いいただけます。
薬剤部 | 安全キャビネットの作業台、壁面、排気口、トレー、キャビネット下の床、運搬ボックス、作業台、廃棄ボックスや出入口、PCのマウスなど |
---|---|
外来化学療法室 | 点滴取り出し時の接続部、点滴バッグからの漏洩が起こりやすい点滴台の支柱・床面、患者さんと接するリクライニングチェア、机、パソコンモニタ、マウス、廃棄ボックスなど |
その他 | ナースステーションの作業台、患者さんの体内残存薬剤による曝露が懸念される病室のベッド柵・ドアノブ・スイッチ、患者さんの排泄物に含まれる残存薬剤が飛び跳ねしやすいトイレなど |
日本では、2014年に、厚生労働省より「抗がん剤曝露対策に関する通知」が出され、2 015年には日本がん看護学会、日本臨床腫瘍学会、日本臨床腫瘍薬学会の3学会合同の「がん薬物療法における曝露対策ガイドライン」、2019年には改訂版として「がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン」が策定され、病院での抗がん剤曝露対策が求められるようになりました。これにより、安全キャビネット内での調剤や、マスクや防護服などの使用が推奨されるようになりました。
しかし、曝露の発生は薬剤の調製時だけにおこるものではありません。薬剤の搬送や保管、患者さんの排泄物や汚染リネンの取扱い、こぼれた薬剤の処理などの場面でも起こりやすいため、調剤時以外にも対策が必要です。
手軽に、安全・安価に、かつ様々な場面で効果を発揮するHDプロテクトを、安全・安心な医療現場づくりにぜひお役立てください。
抗がん剤はがん治療に欠かせない薬剤である一方で、有害な作用もあることが知られています。皮膚に付着したり、呼吸によって吸い込むことでも影響を及ぼすため、生活環境に抗がん剤を残さないことが大切です。
がん化学療法は入院から通院での治療にシフトしてきています。ご自宅でも、抗がん剤の漏出や投与終了後の抗がん剤が付着した廃棄物、患者さんの排泄物などにより、ご家族への曝露が起こり得ます。同居のご家族を抗がん剤の曝露リスクから守るためにも、ご家庭の清掃にHDプロテクトをお役立てください。
日本の獣医療では一般的にヒト用抗がん剤が転用されています。ヒトに比べて体表面積の小さな動物に処方するため、抗がん剤の分割や脱カプセルが必要となるケースも多いため、動物病院においても、ヒトの医療機関と同様の曝露対策が必要となります。また抗がん剤治療中のペットの糞や尿には抗がん剤が含まれるため、掃除の際に分解薬を使用するなどの対策が必要です。HDプロテクトは動物病院の環境整備や、ご家庭における曝露防止にもお役立ていただいています。
個人様販売専用番号:050-2018-7967(村中医療器㈱コールセンター)
動物病院向け販売サイトはこちら: https://msgoods.jp/top.cgi
「在宅がん患者の化学療法に伴う抗がん剤人的環境曝露防止のための地域安全システムの構築」(第1回)
「在宅がん患者の化学療法に伴う抗がん剤人的環境曝露防止のための地域安全システムの構築」(第2回)
(公益財団法人セコム科学技術振興財団のHPに移動します)
母親の職業上の医療用物質の使用と出生児における小児白血病との関連:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)について
(九州大学のHPに移動します)
曝露対策の評価には、現状の把握が大切です。
「セコム抗がん剤曝露調査サービス」は、病院内で特に抗がん剤曝露が起こりやすいとされる10ヶ所を対象に調査を行います。